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癌に対する機能性成分の効果について、マスコミや学会発表などの第三者からの情報で、検証することを目的としています。

<2018年4月11日更新>

霊芝

霊芝の効果・副作用の研究成果

霊芝とは? 霊芝は、癌の患者の方を対象としたヒト臨床試験での研究成果が、国際データベースに複数登録されており、研究が進んでいる成分の1つです。主に中国や台湾で研究されており、大腸癌患者の免疫の値が改善した報告などがあります。しかし、一方で、「癌患者の 方に効果はなかった」という報告もあり、日本の研究でも前立腺癌では効果がないとの報告もされています。そのため評価が難しい成分です。
霊芝は、マンネンタケ科に属するキノコで、別名としてマンネンダケと呼ばれることもあります。古くから中国や日本で生薬として用いられてきました。
霊芝の有用成分としては、「ベータグルカン」を含む多糖成分が、国際データベースで報告されています。国際データベースに、日本の企業の研究はほとんどなく、中国などでの研究が進んでいるようです。

霊芝に関するヒト臨床研究情報まとめ

■国際データベースのヒト論文掲載(PubMed)
掲載件数※ 癌への免疫力を高める作用 癌の免疫抑制を軽減する作用 癌闘病時の体力回復作用 抗がん剤に近い作用 効果がなかった 副作用があった
5件
×
×
あり なし

※2000年以降、ヒト臨床研究論文の件数
(効果がなかったという報告の論文は除く)

1.がんに関するヒト臨床研究情報<要約>

ヒト臨床試験とは、健康食品やサプリメントなどについて、その有用性や安全性を科学的かつ客観的に示すためのエビデンス(科学的根拠)を取得するために、ヒト(人間)を対象に行う試験のことです。

■霊芝関連のヒト臨床研究報告<要約>
タイトル・文献・PubMed№ 解説 信頼度
救済治療として霊芝を用いた癌患者(5例)の症例報告
2014年 Asian Pac J Cancer Prev.l.誌
<PubMed No.24935369:英文はコチラ>
タイで、婦人科癌(主に卵巣がん)患者が救済療法で霊芝を12週間摂取したところ、摂取期間中は重大な副作用なく容態が安定していたという報告です。
<日本語詳細はコチラ>
消化器癌患者の血清腫瘍マーカーの上昇
2014年 Integr Cancer Ther.l誌
<PubMed No.24282100:英文はコチラ>
中国で、消化器癌の患者が、霊芝の胞子を摂取したところ、血清腫瘍マーカーCA72-4のレベルが上昇し、また摂取を中止するとCA72-4が急速に正常レベルに戻ったという報告です。
<日本語詳細はコチラ>
乳がん癌患者の摂取試験
2012年 Evid Based Complement Alternat Medl誌
<PubMed No.22203880:英文はコチラ>
中国で、乳がんホルモン療法実施中患者が摂取したところ、疲労やQOL(生活の質)が改善する作用が観察された報告です。
<日本語詳細はコチラ>
前立腺癌患者の摂取試験
(効果がなかったという報告)
2010年 Int J Urol誌
<PubMed No.20412340:英文はコチラ>
日本で、放射線治療後もPSA(腫瘍マーカー)の上昇が見られる前立腺癌患者に鹿角霊芝を摂取させたところ、PSA値の改善(抗癌効果)は観察されなかったという報告です。
<日本語詳細はコチラ>
化学療法と放射線療法を行っている癌患者への中国生薬服用効果
2009年 Phytother Res
<PubMed No.19145638:英文はコチラ>
台湾で、化学療法/放射線療法を行っているガン患者に霊芝を含む混合成分を服用させると、対照群に比べてリンパ球数の低下が抑えられたという報告があります
<日本語詳細はコチラ>
進行がん患者の生薬服用時の免疫機能推移
2006年 Int Immunopharmacol
<PubMed No.16428086:英文はコチラ>
中国で、進行大腸癌患者に霊芝から分離した多糖成分を服用させると、NK細胞活性などが上昇したという報告があります
<日本語詳細はコチラ>
進行肺癌患者の霊芝水溶物投与時の免疫能変化
(効果がなかったという報告)
2005年 J Med Food
<PubMed No.16117607:英文はコチラ>
ニュージーランドで、進行肺癌患者に霊芝から分離した多糖成分を服用させたところ、免疫指標には明確な差はなかったという報告があります。
<日本語詳細はコチラ>
■霊芝関連の研究ニュース
タイトル・内容(発行日、紙面名) 解説
霊芝 大腸がん予防に期待
広島大大学院教授ら試験
腫瘍抑制の効果確認

(2010/3/18 中国新聞朝刊)
記事・関連情報のリンクはありません。
記事によると、広島大大学院医歯薬学総合研究科の田中信治教授(内視鏡医学)たちのグループが、キノコの一種、霊芝(れいし)の菌糸から抽出したエキスに大腸がんを予防する可能性があることを、患者を対象とした試験で確認した。
田中教授は「がんの前段階の腫瘍の発生や成長を抑える効果を確認できた。大腸がん予防に効果が期待できる。大規模な臨床試験でさらに検証したい」と話しているとのこと。
■霊芝の主要研究企業
研究企業名 研究内容
癌の患者さんを対象にした霊芝の主要研究企業は、調査した範囲ではありませんでした。

2.がんに関する動物研究情報<要約>

動物試験とは、医学研究などのために、ネズミ・モルモット・ウサギ・イヌ・ネコなどの小動物を用いて行う試験のことです。
この試験は、ヒト臨床試験を科学的かつ倫理的に適正に行うために必要な科学的知見を、事前に収集するために行っています。

■霊芝関連の動物研究報告<要約>
タイトル・文献・PubMed№ 解説
マウスを用いて検証した霊芝の抗癌効果の薬理学的機序の薬理学的ネットワーク解析
2018年 Biol Pharm Bull誌
<PubMed №28882624:英文はコチラ>
中国で、Hepa1-6保有C57BL/6マウスに霊芝抽出物を投与すると、腫瘍増殖阻害効果を示した。霊芝抽出物による腫瘍治療の効果を評価するための潜在的マーカーとして、NR3C2、AR、ESR1、PGRの4つの中心標的遺伝子が機能する可能性があるという報告です。
<日本語詳細はコチラ>
マウスにおけるシクロホスファミド、シイタケ菌糸体および霊芝の併用投与による延命効果
2017年 Gan To Kagaku Ryoho.誌
<PubMed №29066688:英文はコチラ>
日本で、S1018B10を移植して腫瘍径が4.5mmを超えたC57BL/10マウスに、1週間に1回シクロホスファミド(CY)を投与し、シイタケ菌糸体抽出物(LEM)霊芝菌糸体抽出物(MAK)の混合物を投与したところ、CYのみを投与したマウス群に比べて延命したという報告です。
<日本語詳細はコチラ>
大腸癌に対する抑制効果
2017年 Oncol Rep.誌
<PubMed №29048673:英文はコチラ>
中国で、in vitro、およびヌードマウスに破壁霊芝胞子の抽出物を投与すると、アポトーシスおよび細胞周期停止を誘導することを通じて大腸癌の発癌を効果的に阻止したという報告です。
<日本語詳細はコチラ>
乳癌に対する有効性とそのメカニズム
2016年 Sci Rep..誌
<PubMed №27830743:英文はコチラ>
台湾で、乳癌に対する霊芝のフコース含有画分の有効性およびメカニズムをin vivoで調べたところ、治療剤あるいはサプリとなりうること、およびカベオリン-1/Smad7/Smurf2依存性ユビキチンに媒介されたTGFRの分解を介して機能することを示唆したという報告です。
<日本語詳細はコチラ>
マウスにおける乳癌の肺転移に対する抑制効果
2014年 Int J Oncol.l誌
<PubMed №24718855:英文はコチラ>
アメリカで、乳腺脂肪体にヒト乳癌細胞MDA-MB-231を移植したヌードマウスに、霊芝抽出物を投与すると、細胞侵襲に関与する遺伝子の下方制御によって乳癌の肺転移を阻害し得ることを示唆したという報告です。
<日本語詳細はコチラ>
■霊芝の主要研究企業
研究企業名 研究内容
動物を対象にした霊芝の主要研究企業は、調査した範囲ではありませんでした。

3.その他、参考情報

霊芝に関連したヒト臨床研究以外の研究ニュースとして、がん専門誌、新聞に掲載された最新記事5件をご紹介します。

■霊芝関連の研究ニュース
タイトル・内容(発行日、紙面名) 解説
未承認医薬品販売 会社役員を逮捕

(2006/7/14 中日新聞夕刊)
記事・関連情報のリンクはありません。
記事によると、未承認の医薬品を店頭に並べたとして、薬事法違反(承認前医薬品の広告掲載禁止)の疑いで、中国籍の会社役員を逮捕した。「がんの予防と対処」などと医薬品の効能があるようにうたった広告を掲載し、霊芝(れいし)、高麗人参(にんじん)などの漢方生薬を輸入し、自宅兼店舗で鍋で煮詰めて製造した飲料を、販売目的で並べていた疑いとのこと。
■霊芝の関連サイトのリンク
リンク先 掲載内容
独立行政法人 国立健康・栄養研究所>> 「レイシ」と「マンネンタケ」で記載があります。
レイシの素材情報に、安全性・有用性の情報があります。
ウィキペディア(インターネット上の百科事典) 霊芝>>

4.がんに関するヒト臨床研究情報<詳細>

ヒト臨床試験とは、健康食品やサプリメントなどについて、その有用性や安全性を科学的かつ客観的に示すためのエビデンス(科学的根拠)を取得するために、ヒト(人間)を対象に行う試験のことです。

■霊芝関連の臨床研究報告<詳細>
タイトル・文献・PubMed№ 解説 信頼度
救済治療として霊芝を用いた癌患者(5例)の症例報告
2014年 Asian Pac J Cancer Prev.l.誌
<PubMed No.24935369:英文はコチラ>
霊芝(Ganoderma lucidum)は中国や他のアジア諸国で何千年にもわたって健康増進薬草として広く使用されてきた薬用キノコである。特に霊芝のin vitro抗癌効果については過去に多くの研究が報告されている。本研究では、霊芝子実体の水抽出物と霊芝胞子を摂取したサルベージ治療後に疾患の安定をみた婦人科癌患者5名の臨床データを報告する。 本報告は、癌患者における霊芝の効果データの充実を目的としている。
消化器癌患者の血清腫瘍マーカーの上昇
2014年 Integr Cancer Ther.l誌
<PubMed No.24282100:英文はコチラ>
市販のハーブサプリメントである霊芝胞子(GLS)は、中国で癌患者に広く使用されている。 前臨床試験では安全と示されているが、GLSが完全に安全であるというデータはまだない。 ここでは、2010年から2011年の間にGLSに加えて複数の治療法を行った消化器癌5例を報告する。これらの患者は、GLSを1日2回、1ヶ月または2ヶ月経口摂取した後に、血清腫瘍マーカーCA72-4のレベルの上昇を示した。CA72-4は消化器癌治療中の患者での治療効果の観察に最も有用なマーカーの一つ1つである。興味深いことに、患者がサプリの服用を中止するとCA72-4は急速に正常レベルに戻り、CA72-4の急上昇に伴う臨床症状に変化はみられなかった。この反応の根底にあるメカニズムが不明であることを考慮して、早急にさらなる研究が必要であることと、癌患者へのGLSの使用には注意を払うことを提言する。
乳がん癌患者の摂取試験
2012年 Evid Based Complement Alternat Medl誌
<PubMed No.22203880:英文はコチラ>
生存乳癌患者において倦怠感は内分泌療法中に高頻度で発生する。しかし、この症状に対処するための科学的根拠に基づく治療介入はほとんどない。本試験は、内分泌療法を受けている乳癌患者におけるガン癌関連倦怠感に対する霊芝胞子粉の効果を調べることを目的とした。霊芝胞子粉は中国で広く使用されている伝統薬である担子菌の一種である。内分泌療法中でガン癌関連倦怠感のある乳癌患者48名を実験実薬群または対照プラセボ群に無作為に割り付けた。治療開始時および4週間後に、FACT-F、HADS、EORTC QLQ-C30のアンケートデータを収集した。介入前後にTNF-αとIL-6の濃度、肝臓・腎臓機能を測定した。実験実薬群において、介入後に身体的健康および倦怠感サブスケールに統計的に有意な改善がみられた。これらの患者からは、不安感や抑うつ気分の軽減および生活の質の改善も報告された。CRFの免疫マーカーであるCRFは有意に低下し、試験中に重篤な副作用は起こらなかった。本パイロット試験は、霊芝胞子粉が、重大な副作用を起こすことなく内分泌療法中の乳癌患者の癌関連倦怠感と生活の質に対して有用であり得ることを示唆する。
前立腺癌患者の摂取試験
(効果がなかったという報告)
2010年 Int J Urol誌
<PubMed No.20412340:英文はコチラ>
<目的>
本研究は、日本での前立腺癌患者に対する2種類の薬用キノコの効果と安全性を評価することを目的とした。

<方法>
非転移性前立腺癌の根治的治療後に生化学的再発が認められた患者が本オープンラベル試験に参加した。これらの患者は、アガリクスキノコの抽出物を含有する「仙生露」とマンネンタケを含有する「鹿角霊芝」の2つのサプリメントのいずれかを6ヶ月間摂取した。血清中の前立腺特異抗原(PSA)レベルとPSA倍加時間を試験前と後に測定し、これらのサプリメントが疾患の進行に及ぼす影響を評価した。本試験の主要エンドポイントは、部分奏功率(血清PSAの50%以上の低下)であった。血清テストステロンレベルで表されるホルモン状態および毒性も評価した。

<結果>
根治的前立腺切除術後の患者51名が参加した。うち47名がプロトコールを完了し、評価が可能であった。32名の患者は仙生露を投与され、残りの15名には鹿角霊芝が投与された。PSAに関しては、部分奏功は認められなかった。 PSA倍加時間の変化は血清テストステロンレベルの変化と相関しなかった。重篤な副作用は観察されなかった。

<結論>
2つの薬用キノコの摂取による有意な抗腫瘍効果は認められなかった。
化学療法と放射線療法を行っている癌患者への中国生薬服用効果
2009年 Phytother Res
<PubMed No.19145638:英文はコチラ>
白血球減少症および免疫障害は通常、癌治療中に生じる。ゼラニウム由来の油溶性化合物であるシトロネロールは創傷治癒促進だけでなく、抗癌および抗炎症作用も有する。霊芝、ヒカゲツルニンジン(Codonopsis pilosula)、カラトウキ(Angelicae sinensis)は伝統的な中国の薬草であり、これらすべてに免疫調節作用のあることはが実験室の研究によって立証されている。本プラセボ対照二重盲検無作為化試験では、中国薬草複合物(CCMH:シトロネロール、霊芝、ヒカゲツルニンジン、カラトウキの抽出物の混合物)が、化学療法または放射線療法を受けている癌患者の免疫細胞数を増加させるか否かを調べた。化学療法または放射線療法実施中の癌患者105名が本試験に参加した。CCMHまたはプラセボのいずれかを用いた6週間の癌治療の前と後に、被験者の血中免疫細胞数を測定した。CCMHは、白血球減少(28.2%対14.2%)および好中球減少(29.1%対11.0%)を有意に低下させた。リンパ球表現型の分析により、プラセボ投与患者はCCMH治療患者に比べて、CD4リンパ球およびナチュラルキラー(NK)細胞が減少したことが明らかになった。化学療法と放射線療法の両方またはいずれか一方を受けている患者に対するCCMH治療は、患者の免疫機能を改善し、癌だけでなく治療や健康を損なう二次感染を回避する能力を高めるかもしれない。
進行がん患者の生薬服用時の免疫機能推移
2006年 Int Immunopharmacol
<PubMed No.16428086:英文はコチラ>
アジア諸国では多くの植物薬が免疫調節剤として広く使用されている。霊芝はアジアで最もよく使用されている薬用植物の1つであり、霊芝の多糖画分は強力な免疫調節作用を有することが前臨床試験で立証されている。しかし、これに関する臨床的証拠は乏しい。本オープンラベル試験は、進行大腸癌患者の選択免疫機能に対する霊芝多糖類の効果の評価を目的とした。47名の患者が参加し、霊芝5.4g /日を12週間経口投与された。全試験期間にわたって、選択免疫パラメーターを免疫学的方法により観察した。評価可能な癌患者41名において、フィトヘマグルチニンに対する分裂促進反応、CD3、CD4、CD8、CD56リンパ球数、インターロイキン(IL)-2、IL-6、インターフェロン(IFN) -γ、NK活性が霊芝治療によって増加する傾向がみられたが、IL-1と腫瘍壊死因子(TNF)-αの血漿濃度は低下した。これらパラメーター全てについてベースライン値と霊芝治療12週間後の値とを比較したところ、統計学的有意性は観察されなかった。IL-1の変化はIL-6、IFN-γ、CD3、CD4、CD8、NK活性の変化と相関しており(p <0.05)、IL-2の変化はIL-6、CD8、NK活性の変化と相関していた。これらの結果は、進行大腸癌患者において霊芝が強力な免疫調節作用を有する可能性を示唆する。癌患者における霊芝の有益性と安全性の調査には、さらなる研究が必要である。
進行肺癌患者の霊芝水溶物投与時の免疫能変化
(効果がなかったという報告)
2005年 J Med Food
<PubMed No.16117607:英文はコチラ>
霊芝の多糖画分が抗腫瘍活性を有する可能性は前臨床試験によって立証されている。最近の臨床研究では、客観的な反応は観察されなかったが、進行固形腫瘍患者において霊芝多糖が宿主の免疫機能を増強する(例えば、ナチュラルキラー(NK)細胞活性の強化)ことが実証された。本オープンラベル試験は、水溶性の霊芝多糖類(Ganopoly, Encore International Corp., Auckland, New Zealand)の進行肺癌患者の免疫機能に対する作用を評価することを目的とした。36名の患者が参加し、5.4g /日のGanopolyによる治療を12週間受けた。試験を完了した30名の癌患者において、Ganopoly治療によってフィトヘマグルチニンに対する平均分裂促進反応性、CD3、CD4、CD8、CD56の平均数、インターロイキン(IL)-2、IL-6、インターフェロン(IFN)-γの平均血漿濃度、NK活性に有意な変化はなかったものの、これらの結果は著しいばらつきがあった。しかし、一部の癌患者では免疫機能の顕著な調節がみられた。IL-1の変化はIL-6、IFN-γ、CD3、CD8、NK活性の変化と相関しており(P <0.05)、IL-2の変化はIL-6、CD8、IL- NK活性の変化と相関していた。これらの結果から、化学療法/放射線療法と併用したGanopolyは癌患者のサブグループに対して有効である可能性が示唆される。肺癌患者における単独または化学療法/放射線療法との併用によるGanopolyの使用の有効性と安全性を調べるためにさらなる研究が必要である。

5.がんに関する動物研究情報<詳細>

動物試験とは、医学研究などのために、ネズミ・モルモット・ウサギ・イヌ・ネコなどの小動物を用いて行う試験のことです。
この試験は、ヒト臨床試験を科学的かつ倫理的に適正に行うために必要な科学的知見を、事前に収集するために行っています。

■霊芝関連の動物研究報告<詳細>
タイトル・文献・PubMed№ 解説
マウスを用いて検証した霊芝の抗癌効果の薬理学的機序の薬理学的ネットワーク解析
2018年 Biol Pharm Bull誌
<PubMed №28882624:英文はコチラ>
民族薬理学的関連性:霊芝(GL)は、多くの病気の予防や治療に使用されてきた東洋薬用キノコである。すでに、2種類のGL(Ganoderma lucidum(Leyss. Ex Fr.)Karst.およびGanoderma sinense Zhao、Xu et Zhang)から霊芝抽出物(GLE)の有効化合物が抽出され、それらは20年以上にわたって抗癌アジュバント臨床治療に使用されている。しかし、具体的な活性化合物および腫瘍に対する調節機序は不明である。

研究目的:本研究の目的は、GLEの主な活性化合物を同定し、薬剤標的生体ネットワークの構築と予測によってその抗癌作用機序を調べることであった。

方法:GLEの主な活性化合物をHPLC、EI-MS、NMRによって同定し、ドッキングプログラムを用いて関連標的を予測した。GLの機能を包括的に調べるため、4つの公共データベースに基づいて、GLの有効活性化合物および関連標的を予測した。続いて、同定化合物標的ネットワークと予測化合物標的ネットワークをそれぞれ構築し、それらを重ね合わせて両方のネットワークの中心潜在標的を検出した。さらに、GLE処置したHepa1-6保有のC57BL / 6マウスにおける標的遺伝子の発現レベルをqRT-PCRとウエスタンブロット解析を用いて確認した。

結果:本研究で、ガノデリン酸A、Ganoderenic acid A、ガノデリン酸B、ガノデリン酸 H、ガノデリン酸 C2、Ganoderenic acid D、ガノデリン酸 D、Ganoderenic acid G、ガノデリン酸Y、ケンフェロール、ゲニステイン、エルゴステロールの12種のGLE活性化合物を同定した。ドッキングプログラムを用いて、20の標的をGLEの12種の化合物にマッピングした。さらに、公共データベースを用いて、122のGL 有効化合物および116の標的を包括的に予測した。潜在的なマーカーと考えられ、GLE治療プロセスにおいて重要な役割を果たしている可能性がある6つの中心標的(AR、CHRM2、ESR1、NR3C1、NR3C2、PGR)を同定成分標的ネットワークと予測成分標的ネットワークとの比較により、スクリーニングした。GLEは、Hepa1-6保有C57BL / 6マウスにおいて腫瘍増殖阻害効果を示した。最後に、ウエスタンブロット解析では、PGRおよびESR1の発現レベルが上方制御されるとともにNR3C2およびARの発現レベルが下方制御されたが、NR3C1とCHRM2に統計学的に有意な変化は認められなかった。これらの結果はqRT-PCRデータの結果と一致する。

結論: NR3C2、AR、ESR1、PGRの4つの中心標的遺伝子はGLEによる腫瘍治療の効果を評価するための潜在的マーカーとして機能する可能性があることが本研究で示された。 また、データを総合すれば、癌に対する治療剤および化学予防剤の有望な候補になる可能性を持つGLEの薬理学的機序に関する予備的研究になる。
マウスにおけるシクロホスファミド、シイタケ菌糸体および霊芝の併用投与による延命効果
2017年 Gan To Kagaku Ryoho.誌
<PubMed №29066688:英文はコチラ>
Rous肉腫ウイルス(RSV)誘発同系腫瘍のS1018B10を移植して腫瘍径が4.5mmを超えたC57BL/10マウスに1週間に1回シクロホスファミド(CY)を腹腔内投与した。LEMとMAKとの混合物を経口投与したマウス群では生存期間が延長した。マイトマイシンC処理したS1018B10刺激下で脾臓細胞を培養し、S1018B10に対する殺細胞能力を調べたところ、エフェクター細胞はF4 / 80 - DC /Mφ細胞であることが判明した。フローサイトメトリー分析の結果、CY + LEM + MAK投与群の脾臓細胞培養中のF4 / 80-DC / Mφ細胞の比率は、非投与群よりも高かった。CY + LEM + MAK投与群におけるF4 / 80 + CD8a +細胞の比率は、非投与群よりも低かった。

概要:C57BL/10マウスにRous sarcoma virus (RSV) 誘発同系腫瘍のS1018B10を移植して腫瘍径4.5mmを超えてからcyclophosphamide (CY)を週1回腹腔投与し、Lentinula edodes mycelia extract (LEM)とGanoderma lucidum mycelia extract (MAK)の混合物を経口投与すると、無治療群に比べて延命した。脾臓細胞をmitomycin C処理したS1018B10刺激下に培養してS1018B10に対する殺細胞能力を調べると、エフェクター細胞はF4/80陰性のDC / Mφ系細胞であった。フローサイトメトリー解析でCY+LEM+MAK治療群の脾臓細胞培養中のF4/80陰性DC / Mφ系細胞の比率は無治療群よりも上昇していた。CY+LEM+MAK治療群のF4/80+ CD8a+細胞比率は無治療群よりも低下していた。
大腸癌に対する抑制効果
2017年 Oncol Rep.誌
<PubMed №29048673:英文はコチラ>
薬用キノコ霊芝(G. lucidum)は、抗癌作用をはじめ、さまざまな薬理活性を有することが報告されている。しかし、主としてトリテルペノイドを含有する破壁霊芝胞子のエタノール抽出物(BSGLEE)の抗大腸癌効果および潜在的分子機構についてはこれまで報告されていない。本研究は、in vitroおよびin vivoでのBSGLEEの大腸癌に対する抗癌作用と分子機構を調べることを目的とした。MTTアッセイでは、BSGLEEは濃度1.6〜10mg / mlでHCT116細胞増殖を用量依存的かつ時間依存的に有意に阻害した。フローサイトメトリー分析で、アポトーシスと細胞周期カスケードを制御する主要遺伝子およびタンパク質(p21、p16、サイクリンD1、Bcl-2、bax、NAG-1、PARP、カスパーゼ-3)の発現規制解除に関与するG0 / G1期において、BSGLEEはアポトーシスおよび細胞周期停止を誘導することが明らかにされた。さらに、BSGLEEは、MMP-1とMMP-2を下方制御およびmRNAレベルでのE-カドヘリン発現の上方制御を介して、HCT116細胞の移動を有意に阻害した。75mg/kgおよび150mg / kg のBSGLEEを強制経口投与したところ、ヌードマウスにおいてHCT116異種移植腫瘍増殖が有意に阻害され、それに伴って免疫化学で判断されたKi-67染色抑制がみられた。これらの結果から、BSGLEEはアポトーシスの誘導、移動の阻害、細胞周期停止の促進を通じて、大腸癌の発がん癌を効果的に阻止することが明らかになった。本研究の結果は、破壁霊芝胞子のエタノール抽出物に含まれるトリテルペノイドが大腸癌の化学予防および治療において有望な抗癌剤となる可能性を示唆する。
乳癌に対する有効性とそのメカニズム
2016年 Sci Rep..誌
<PubMed №27830743:英文はコチラ>
霊芝は抗腫瘍活性を発揮するが、癌に対する霊芝多糖類のメカニズムは不明である。本研究は、霊芝のフコース含有画分(FFLZ)がin vivoで腫瘍サイズを縮小させ、転移を抑制したことを示した。さらに、FFLZは、乳癌細胞の移動を阻止し、上皮間葉移行(EMT)表現型の変化をもたらした。トランスフォーミング増殖因子-β受容体(TGFR)経路は、腫瘍の進行および転移を促進する主要伝達体として機能する。我々は、FFLZがSmad2 / 3のリン酸化およびSmad4の発現を含めて、TGFRと下流シグナル伝達経路を下方制御することを発見した。基本メカニズムを調べたところ、FFLZは脂質ラフトの均衡を崩すことでTGFRのSmurf2依存性ユビキチン化を増強すること、TGFRのカベオラへの“再局在化”を促進うすること、TGFRの分解を容易にすることが明らかになった。併せて、我々のデータはFFLZがユビキチン化依存性TGFRの分解促進およびGFRシグナル伝達経路の無効化によるEMTの阻害と転移防止に関連していることを示した。さらに、FFLZとトラスツズマブとの組み合わせは、特定のトラスツズマブ耐性ヒト乳癌細胞の生存能力を相乗的に阻害した。要するに、我々の得た結果は、FFLZが癌患者にとって治療剤あるいはサプリとなりうること、およびカベオリン-1 / Smad7 / Smurf2依存性ユビキチンに媒介されたTGFRの分解を介して機能することを示唆する。
マウスにおける乳癌の肺転移に対する抑制効果
2014年 Int J Oncol.l誌
<PubMed №24718855:英文はコチラ>
乳癌患者において罹患率と死亡率の高い主な理由の1つが乳癌の転移である。外科的介入、化学療法、放射線療法、標的療法にもかかわらず、一部の患者はハーブ/天然物による代替療法を検討している。本研究では、性質が充分に解明された薬用キノコ霊芝抽出物(GLE)について、腫瘍増殖および乳癌の肺転移に対する作用を評価した。ヌードマウスの乳腺脂肪体にヒト乳癌細胞MDA-MB-231を移植した。そのマウスにGLE(100mg / kg / 1日おき)を4週間強制経口投与し、ノギスを用いて腫瘍サイズを測定した。肺への転移はヘマトキシリンおよびエオシン(H&E)染色によって評価した。MDA-MB-231細胞における遺伝子発現は、DNAマイクロアレイ解析で判断し、定量PCRによって確認した。同定された遺伝子のサイレンシングをsiRNAによって行い、細胞遊走をボイデンチャンバー内で創傷治癒アッセイにより判定した。GLEの経口投与は大きな腫瘍の増殖をわずかに抑制しただけだったが、乳癌の肺転移数を有意に抑制した。GLEはまた、MDA-MB-231細胞における侵襲行動に関与する遺伝子(HRAS、VIL2、S100A4、MCAM、I2PP2A、FN1)の発現を下方制御した。siRNAによるHRAS、VIL2、S100A4、I2PP2AおよびFN1の遺伝子サイレンシングはMDA-MB-231細胞の移動を抑制した。本研究は、GLEの経口投与が細胞侵襲に関与する遺伝子の下方制御によって乳癌の肺転移を阻害し得ることを示唆する。当然ながら、GLEの抗転移効果に関してはさらなる臨床研究が必要である。
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